steps to phantasien

にわか Podcast ファン

onair

出張中。時差ボケ修正のためキータイピングで眠気を払おうと試みているところ。 いつになくどうでもいい内容につき見逃してください。

最近はやりの Podcast 番組 Rebuild を聴きはじめた勢いで他の番組も聴くようになった。にわかポッドキャスト好き。 にわか欲があるうちに聞いている番組を紹介したい。といってもだいたい ”オススメ Tech Podcast 5選” の記事にあるやつなんだけど。ちなみに私の Podcast 歴がどれだけにわかかというと、rebuild.fm の序盤はブラウザから mp3 をダウンロードして聴いていたくらい。 Podcast はとっくに滅びたメディアだとおもっていた。でも Blog が生き残っている程度には元気だと知りました。

私の聞いている番組は基本的にアホらしい内容のものが多く、情報収集というより娯楽。 ニュースほど早口でも無味乾燥でもなく、講演ほど背筋が伸びておらず、 ある程度量のあるグダグダした英語を耳に通したい、という向きには良い。 内容がどうでもいいおかげか、聞き取れなくても損した気分にはならない。

Accidental Tech Podcast

上のおすすめでも紹介されている、元 Instapaper 開発者 Marco Arment と愉快な仲間たちによる雑談。 Marco Arment が Apple ファンかつ iOS 開発者なので、彼の作っているアプリの話をはじめ iOS 周辺の話が多い。 Apple のゴシップを上から目線で論評する展開もよくある。 たとえば iWatch の噂が流れていた頃は、 一時間かけて延々 <ぼくのかんがえたさいきょうの iWatch> について熱弁していた。 また別の回では愉快な仲間の一人が Minecraft の Mod エコシステムがいかに原始的かを懇々と説いた。 もうちょっとコーディング寄りの話をする回もある。どうでもいい内容だけど、 ふだん雑談に飢えている寂しい人にはそのどうでも良さが沁みる。あとなぜかテーマソングがあるのも微笑ましくて良い。

毎回スポンサーがついており番組中でその製品を紹介するんだけど、その売り口上から派生する雑談もけっこう面白い。 たとえば Transpoter という NAS ぽい製品の紹介を皮切りに数回にわたり Mac OS バックアップ談義が派生し、 すげえどうでもいいわーとおもいながら聞いていた。スポンサー製品は気の利いたものが多く、それはよい。

似たような路線で Android ファンがやってる番組はないかと探しているけれど、いまのところ気に入るものは発見できず。

Quit!

会社をやめて新しいことを始めようぜ!という趣旨の番組。目次を見るとわかるとおり意識高い感じで面白い。ただしこの手の話の常として若干単調。 たまに最近会社をやめた有名人がゲストで登場する。そんなゲスト回は面白い。私がこの Podcast を知ったのも、 The Verge の Pocket に関する記事で Marco Arment が Instapaper をやめたのはやる気を失ったからだと本人がある Podcast の中で告白していた、と紹介する一節を読んだのがきっかけだった(該当回)。 他には Instagram をやめて Dropbox に転職したデザイナが登場する 回も。 「Instagram は俺にとって居心地が良すぎたのさ・・・(フッ)」みたいな語りを聞きつつ、西海岸意識高いな・・・などとたじろぎました。

もう一つおもしろいのは、視聴者の悩み相談に電話でこたえるコーナーがあること。 「俺も一山あてて Marco (Arment) みたいになりたいんですッ!大学なんて言ってる場合じゃないから中退しようかと思っています」 と鼻息荒い若者に「普通 Marco になれるわけじゃないんだまず大学を出てからにしろ」と説いたり、 (私は知らなかったのだけれど Marco Arment は人気者のようである。ニューヨークの Naoya Ito だと思えばだいたいあってるかんじ。) 「僕も The City に行ってブイブイいわせたいんです・・・でも何も実績がないからどうしてらいいのか・・・」と悩む若者に 「タダ働きでもいいから現場に潜り込んで仕事を学ぶんだ」と煽ってみたり、 「最近失業したので起業でもしてみようかとおもうんです」というおっさんに 「お前家族はいるのか?妻と子どもがいる?貯金は?まず必要なのは稼ぎ口を見つけて生活を安定させることだ、起業はそのあとでいい」と諭したり、 洋の東西を問わない職業人の惑いを楽しめる。個人的にはこの読者コーナーが面白くて聴きつづけている。

The ChangeLog

毎回ゲストにオープンソースプログラマを呼び、そのゲストがやっているプロジェクトを中心に話が進む対談形式。 これは Podcast にしてはけっこう役にたつし、話も面白い。登場するプロジェクトのジャンルはウェブ系が中心。

最近だと面白かったのは、たとえば Helios や AFNetwork の作者を呼んだ回。 AFNetwork の AF が何か(花の名前)、この開発者が元々なにをしていた人なのか (Gowalla で iOS アプリを書いていたが Facebook による買収後に Heroku に転職し Gowalla 由来ライブラリの開発を続けている) Helios はどのくらいやる気なのか(世間の反応次第。開発者いまのところこのひとだけ) など、Blog なんかでは読めないトリビアが聴ける。 そのほか Docker の回を聴くと、これを書いたのが dotCloud の元 CEO (Docker 書きたさに役職から退任) であり、 dotCloud にとって Docker が戦略的なプロジェクトだとわかる。そして続く Flynn の回 では Flynn (crowd funding で開発すると宣言されたオープンソース化予定の vaporware PaaS) と Docker は関係が深いとわかる。 など、どの回もそれなりに面白い。バックナンバーもちまちま聴いている。

オープンソース系だと他に FLOSS Weekly というのも聴いてみたけど、これは全然おもしろくないね。

The Stack Exchange Podcast

Stack Exchange の新機能や最近の動向をめぐる雑談。無駄に Stack Exchagne に詳しくなる。 参加者がすごい勢いで話を被せ合うため大変聞き取りづらい。 ホストである Joel Spolsky へのおっかけ精神と、聞きづらいののも一個くらい聞いておこうというマゾ精神で聴いている。

コミュニティを持つサービスがユーザに向けて Podcast を持つのは良いアイデアに思えた。 僕が Stack Exchange ヘビーユーザだったらこれはとても面白いし、 Stack Exchange への愛着も増すと思う。

他にもいくつか試しに聴いてるのはあるけど、今のところ面白いと他に言えるものは見つけられていない。 なにかおすすめがあったら教えて下さい。

Podcast はいつ聴くの?

上で紹介した Podcast はどれも尺が長い。 最近おしえてもらった Pocket Cast というあんどろアプリは 再生速度を調整できるから多少はちょろまかせるものの、それにしても長い。 人々はどんな隙をみつけて Podcast を聴いているのだろう。私はまだ決め手がなく、アドホックに消化している。

電車通勤で聴くはどうか。普通なら悪くない。車内の騒音は耳栓型イヤホンでそれなりに緩和できる。 手を塞がれない Podcast は画面が必要な Instapaper/Pocket 方面より通勤向きな気がする。 ただ私は天気が許す限り電車通勤を避けているので、雨がふらないとキューが減らせない。

ジムの運動中。これは良い。InfoQ の講演もよく走りながらで聞いていた。でも最近通えておらず根気不足が問題。

一人で食事をしているとき。これもまあそんなに悪く無いけど、イヤホンつきでごはんを食べるのは抵抗がある。慣れるかしら・・・。

仕事中。気が散るのがつらい。ビルド監視業のように集中より退屈しのぎが意味を持つ場面にはあう。 ただそんな仕事ばかりではないから日常に組み込めるとはいえない。

ヒコーキ。とてもよい。今回の出張でもだいぶ消化できた。ただ出張なんて年に数度だからこれも日常ではない。

ダラダラとウェブをみているとき。悪くない。 ウェブも Podcast もコンテンツの中身は概ねどうでもいいものだから、 オーバーラップして両方適当に消化するのはメディア中毒者のあるべき姿な気がする。 一方でまとまった時間をつかってウェブをダラダラみるかというと、普段はあまり見ない。 かわりに細かく切り刻まれたダラダラが日常に練りこまれている。 この断片をまとめるよう時間の使い方を見直せばいいのかもしれない。 でもしょうもない無駄話を聴くために生活の規律を高めるなんて、どこか腑に落ちない・・・。

世間の人々はどうやって Podcast を聴いているんだろうとにわかな自分は思うのでした。 むしろ伝統的ラジオ愛好家に尋ねた方がいいのかもしれないけどね。


写真: http://www.flickr.com/photos/williamli1983/258402966/